東京サンシャインボーイズに所属の俳優の経歴と、(個人的な)おすすめ作品、役どころも紹介。第八弾は甲本雅裕。
人物
1965年6月26日生まれ。1989年『天国から北へ3キロ』から東京サンシャインボーイズに参加。三谷幸喜曰く「不器用だけど一途な男」を演じさせたら右に出る者はなく、三谷作品でもそのような朴訥とした役どころが多いが、かすかに狂気を滲ませる役なども良い。
必見作品
『新選組!』(2004年) 松原忠司役
三谷幸喜が初めて取り組んだ、新選組局長近藤勇を主役に据えた大河ドラマ。若いメインキャストらが繰り広げる序盤の青春群像劇、中盤の壮絶な内紛からの落日の描きぶりが見事な名作。諸事情によりオンデマンドの配信はないが、DVDで観ることができる。
甲本は新選組隊士の一人、松原忠司を演じた。自身が倒した長州藩士の未亡人に心惹かれ、つい面倒を見るが最後には復讐されるという「不器用だけど一途」の代表格のような役どころ。同郷の隊士と友情を育む体育会系の朴訥とした青年が、未亡人に惑わされる破滅していく様子が切ない。
『東京サンシャインボーイズの「罠」』(1994年) ムール役
東京サンシャインボーイズの解散公演が。小学校の同級生の葬式で二十年ぶりに顔を合わせる同級生らの一日を描く。各役者に見せ場を十分に、という考えで「オリエンタルチーム」と「エルサレムチーム」の二組によるダブルキャストで上演された。公演DVDが販売されているが、そのキャストはそれぞれの組から半々ずつ選出された。
甲本は家業を継ぎ、登場人物の中で唯一地元に残った「ムール」を演じた。これもまた気のいい一途な役なのだが、どこか小学生の頃の思い出に囚われているような、(俺の人生、小学生の頃が一番楽しかったな)と思いながら生きているような男で、ちょっと暗い。「みんなで藤岡弘、の家に遊びに行こう」と駄々をこねだす場面は笑えるが怖く、甲本の少々珍しい一面を見られる。
出演作品
1989年 舞台『天国から北へ3キロ』(紋田哲次郎、網浜ベビー)、舞台『サンシャインの世界は廻る』、舞台『眠りラクダのはじける音』(隣のおじさん、おとんとん)
1990年 舞台『東京の冬』、舞台『彦馬がゆく』(伊藤俊介(長州藩士))、舞台『12人の優しい日本人』(青年)、舞台『ブロードウェイの生活』(伊藤俊介(長州藩士))
1991年 舞台『12人の優しい日本人(再演)』(青年)、舞台『ショウ・マスト・ゴー・オン 幕をおろすな』(中島辰男)、舞台『99連隊』(佃春夫)
1992年 ドラマ『君たちがいて僕がいる』、ドラマ『ショウ・マスト・ゴー・オン 幕をおろすな』(大利根(美術))、舞台『なにもそこまで』(中島辰夫)、舞台『12人の優しい日本人(再々演)』(陪審員1号)、舞台『もはやこれまで』(サンバ好きな青年)
1993年 ドラマ『振り返れば奴がいる』(救急隊員/1話)、舞台『ラヂオの時間』(工藤(ディレクター))、舞台『彦馬がゆく(再演)』(伊藤俊介(長州藩士))
1994年 舞台『ショウ・マスト・ゴー・オン 幕をおろすな(再演)』、ドラマ『総務課長戦場を行く!』(トシザワ)、舞台『東京サンシャインボーイズの「罠」』(ムール(西田常雄))
2004年 ドラマ『新選組!』(松原忠司/20話~30話、32話、33話、35話~38話)
2008年 映画『ザ・マジックアワー』(太田垣直角)、ドラマ『古畑中学生』(蒲郡)
2009年 舞台『returns』
2020年 zoom配信『12人の優しい日本人』(陪審員1号)
2025年 舞台『蒙古が襲来』
その他
インスタグラムをやっており、ファンキーな自撮りやいかした私服、趣味のキャンプ写真を見ることができる。